学校の机はあまりに堅苦しい。 |
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若い頃に考えること、思うことは、大人になってからきっと財産になる。たとえそれがどんなことでも。
ペトルとパヴラは、そこら辺にいるような高校生だ。朝起きて、学校へ行き、勉強をする。校則にしばられた規則正しく息苦しい生活が毎日続く。
ただし、それも日が沈むまで…… 「ギンプル」はチェコ語で「高校」の俗語。
本当のことをしたいという学生と現実から切り離せない、学校での葛藤や責任や自由を、青春ゆえの問題として背景に描く。 |
自由の本当の意味。 |
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夜、少年たちは別の顔を持つ。昼間の鬱憤、自分の夢見るあこがれの姿をグラフティーに吐き出すのだ。
社会に対して反抗する? 自由への近道だと信じている?そうではない。あまりに自分たちが空っぽで、何かで埋めたくてしょうがないのだ。秘められた少年たちの思いがスプレーによって現実の世界に生み出される夜の緊張、警察との追跡劇、そのスリルと逃げ切った時の満足感、そんなことで自分たちを満たそうとしている。けれど、いつだって彼らは悩んでいる。本当の自分にたどりつけるのかと。疲れ果てた、ありふれた街が、目の前で観たことのない雰囲気に包まれる。
「ギンプル」は本国チェコでも2007年9月公開の最新作。
原作はトマーシュ・ホウシュカの小説「グラフィティ・ルールズ」。トマーシュ・ホウシュカは青春を描いた映画「プレゼント」(2009年公開予定)、「ラビリンス」(2008年公開予定)などで脚本、監督を務める。 |
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